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クリエイターを直接支援!クラウドファンディングが秘める可能性

株式会社ハイパーインターネッツ

2013.04.04 UPDATE

株式会社ハイパーインターネッツ

クリエイターが作品を制作する際に、そのプロジェクトに共感する人たちから資金を集めるクラウドファンディング。その国内最大のプラットフォーム「CAMPFIRE」を運営するのが、株式会社ハイパーインターネッツです。組織や企業といった枠にとらわれず、インターネットやSNSを通じ、クリエイターの情熱をダイレクトにサポートできるこのサービスは、昨年一年間で約1億円の流通実績を残すなど急成長を遂げています。クラウドファンディングが秘める可能性について、広報の矢崎海さんにお話をうかがいました。

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共感した人から資金を募り、アイディアを形にする

株式会社ハイパーインターネッツ「CAMPFIRE」のプロジェクト詳細ページ。2013年3月現在、『CAMPFIRE』は総支援流通額約1億5000万円、総支援者数約21000人に達した。

──まず、クラウドファンディングの仕組みから教えてください。

矢崎:モノにしてもサービスにしても、これまでアイディアを形にするには、銀行に融資をお願いするなど、資金集めからはじめないといけませんでした。しかしクラウドファンディングは、本当にそのモノやサービスを欲しいと思う人たちから、直接資金を集める仕組みです。CAMPFIREでは資金を提供する人を「パトロン」と呼んでいるんですが、クレジットカードを持っていればインターネットを通じて誰でもパトロンになることができ、しかも少額から参加できます。当サイトでは、ひとりの方が支援できる金額を500円から最大30万円に設定しています。

──現在、どれくらいのプロジェクトが動いているのですか?

矢崎:随時30〜40プロジェクトくらいは動いています。たとえばアート作品集や自主制作映画の制作資金を募ったり、新しい製品の企画提案をしたり。ジャンルは音楽、アート、映画、プロダクトから社会貢献までさまざま。投稿のあったプロジェクトを当社で審査し、どこかに新しい価値を見出せるもの、クリエイティビティの高いプロジェクトを掲載するようにしています。たとえば被災地支援のような社会貢献のプロジェクトでも、「東北の刺し子という伝統技法を使って新しいファッションプロダクトを作る」というプロジェクトはクリエイティブですよね。

株式会社ハイパーインターネッツ車いすに取り付けるだけで時速20kmまでの走行を可能にする次世代パーソナルモビリティ 「WHILL」。

──資金の提供者には、どんなメリットがありますか?

矢崎:寄付や投資とは違い、ここではパトロンは「リターン」という見返りを受けられます。プロダクトであれば、完成した製品が手元に届くリターンが多いですし、限定ノベルティグッズをもらえたり、映画ならエンドロールクレジットに名前が入ったりするのも、クラウドファンディングならではの体験です。特にアメリカでは、「リターン」を提供することで、映画制作の資金を集める方法が定着しています。アメリカにKickstarterという大きなクラウドファンディングがあるんですが、そこで資金を集めて制作されたドキュメンタリー映画が、アカデミー賞にノミネートされたこともあります。

──共感を呼ぶ、成功率の高いプロジェクトに共通性はありますか?

矢崎:起案者の方の熱意、ですね。こういうことをやりたい、応援してくださいというプロモーションをご自身でしっかりできる方のプロジェクトは、成功率が高いです。初期のプロジェクトに、「WHILL」という車椅子の可動域を広げるモビリティーの開発プロジェクトがありました。たとえば眼鏡って、もとは視力を矯正するためのものだったのが、今では目のいい人でもダテ眼鏡をかけるようなファッションアイテムになりましたよね。起案者の方は、車椅子もそういうものになってほしいと、スタイリッシュなデザインで作られていて。そうした思いや制作の背景が共感を呼び、約100万円以上の資金が集まりました。その後、プロトタイプを出展した東京モーターショーでも話題となり、昨年には法人化もされて。当サイトをきっかけにプロジェクトが順調に進んだ、印象深い事例になりました。

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モノから、ストーリーを消費する時代に

株式会社ハイパーインターネッツ

──CAMPFIREをスタートした経緯を教えてください。

矢崎:もともと代表の石田光平は、「農力村」というサービスのディレクターをしていたんですね。これはweb上で田んぼのオーナーになり、育苗から米が手元に届くまでの体験を農家と共有するサービスでした。この「農力村」の利用者に、共同代表の家入一真がいて、そこでふたりが出会ったんです。ちょうどその頃、Kickstarterが注目を集めていて。石田の「モノは、そのストーリーとともに提供されるべきではないか」という発想と、家入の「クリエイターを支援をしたい」という思いを合致させたクラウドファンディングを始めようと、ふたりで会社を立ち上げ、2011年6月にCAMPFIREのサービスをローンチしました。

──従来のビジネスモデルとクラウドファンディングの違いとは?

矢崎:これまで新しいプロジェクトをはじめるときは、せっかく資金を集めても、はじめたら赤字になってしまった……ということもありましたよね。それがクラウドファンディングでは、ニーズをくみ取ってからプロジェクトを実行することができます。また当サイトはall or nothing方式なので、定めていただいた期間内に目標金額に達して「サクセス」しなければ、一円もお金が動きません。当社もサクセスしたときだけ手数料をいただくので、起案者の方にはある意味リスクを恐れず挑戦していただくことができます。

また、クラウドファンディングをプロモーションやテストマーケティングの目的で利用する方もいます。アイディアが本当に必要とされているのか、ダイレクトに反応を見ることができますし、ツイッターやフェイスブックのコメントとも連動しているので、関心を持った方の意見を集めることもできます。

株式会社ハイパーインターネッツ社内の壁にはこれまでに成功したプロジェクトのリターンが飾られている。

──今後、御社の目指すこととは?

矢崎:サービスがローンチしてしばらくは、「クラウドファンディングとは?」という取材が多く、おかげさまでメディアにもたくさん取り上げていただきました。それによって、ある程度は認知されたと思うのですが、実際に利用するには、まだハードルの高さを感じられる方もいらっしゃると思うんですね。なのでこれからは、よりわかりやすい、誰でも使えるサービスを目指していきたいです。

また他のクラウドファウンディングには、「スポーツ」や「音楽」などジャンルに特化したものも見られるのですが、当サイトはクリエイティブ(制作物)であれば、アートから社会貢献まで分野は横断的です。そういう意味でもクリエイティビティを重視した「CAMPFIREらしさ」は大切にしていきたくて。今は、クリエイターの方がブログ等で積極的に発信するなど、誰がどういうことをしているかが見える、透明な社会になってきましたよね。そんななか、モノよりもその裏にあるストーリーに共感し、お金を払いたいと考える方は増えてきていると思います。そうした背景を追い風に、さらにコンテンツ力をアップして、「ここにくれば何かありそう」と期待していただける場を作っていきたいと考えています。

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CAMPFIREの成功事例を紹介

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キングコング西野亮廣、NYで原画展開催〜あたしをNYに連れてって!〜
これまでに『Dr.インクの星空キネマ』『Zip&Candy 〜ロボットたちのクリスマス〜』『オルゴールワールド』と3作品の絵本を発表キングコングの西野亮廣。海外進出を本格的に始動させるための第一弾として「ニューヨークでの原画展」を企画した。585人がパトロンとなり、目標金額1,500,000円に対し、支援総額は5,311,000円に達した。

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GoogleLunarX-Prizeに日本唯一の参戦!月面探査ローバーを開発。
Googleがスポンサードする国際宇宙開発レース、 Google Lunar X PRIZE。全世界18カ国から25チームが参加しているこのレースに、日本から唯一ホワイトレーベルスペースがエントリーすることとなった。2015年末までに民間資金で無人探査機を月面に送り込み、500m移動しハイビジョン動画を取得し地球に送信する。このミッションに挑戦するための月面探査ローバーの開発費用の支援を「CAMPFIRE」にて募集した。278人のパトロンから、目標金額2,000,000円に対し、2,301,520円が集まった。

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完全独立型女性シンガーのパイオニア!SAYUKIの作るCD付ヴィジュアルブック!
2000年1月にSony Music Entertainmentからデビュー。CD、アナログレコード計7枚をリリースしたSAYUKI。HEY!HEY!HEY!などに出演。Sonyを離れ、数年のブランクを経て2010年に株式会社VOCEを自ら設立し独立した。今回CD付きヴィジュアルBOOKを制作するにあたって必要な制作資金を「CAMPFIRE」で募った。その結果、73人がパトロンとなり、目標金額の610,000円に対し、支援総額1,059,900円が集まった。

今回の取材を振り返って

「CAMPFIRE」のロゴの下には、「Micro Patron Platform」というコピーがあります。これまで縁遠かった「パトロン」という言葉に「マイクロ」を付けることで、グッとクリエイターとの距離が近づくこのサービス。さらに「プロジェクトに共感してくれた人々から資金を募る」という発想は、ビジネスにおいても、当初のアイディアを純度が高いまま遂行できる、在庫リスクを回避できるといったメリットを生み出しています。そして何より興味深かったのが、このシステムの原動力となっているのが、作り手の「熱意」と受け手の「共感」であること。こうした「思い」を軸にしたサービスが、消費することの意識を変えるとともに、私たち一人ひとりの可能性をも広げてくれるように感じられました。

株式会社ハイパーインターネッツ

CAMPFIRE

石田光平と家入一真によって設立された株式会社ハイパーインターネッツ。同社のサービスとして2011年6月にクリエイターの活動を個人が少額から支援できる「CAMPFIRE」を運営スタートした。2013年3月現在、『CAMPFIRE』は総支援流通額約1億5000万円、総支援者数約21000人ともに日本最大規模のクラウドファンディング・プラットフォームとなっている。
http://camp-fire.jp/

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