本文へ

製品情報>“VAIO”>My VAIO>WEEKLY MAGAZINE>世界文化遺産に登録決定!『ランドネ』編集長×華恵による「富士山」対談

世界文化遺産に登録決定!『ランドネ』編集長×華恵による「富士山」対談

『ランドネ』編集長×華恵

2013.07.04 UPDATE

『ランドネ』編集長佐々木浩也×華恵

2013年6月に世界文化遺産に登録された日本の最高峰、富士山。いよいよ山開きを迎え、「この夏こそ」とあの雄姿に思いを馳せている登山ファンも少なくないのでは? そこで今回は、アウトドア雑誌『ランドネ』編集長の佐々木浩也さんと、エッセイストで山好きとしても知られる華恵さんによる「富士山」対談! 初登山の思い出やおすすめのルートなど、おふたりならではの視点から富士山の魅力を語っていただきました。

日本一高くて、美しく、神聖な山

世界文化遺産に登録決定!『ランドネ』編集長×華恵による「富士山」対談

──おふたりと富士山の関係から、教えていただけますか。

華恵:初めて登ったのは、高校3年生の夏休みでした。その頃、『山と渓谷』の連載で冒険家の石川直樹さんに登山のことを教えてもらっていて、富士山に一緒に登ることになって。ずっと遠くから見ていた憧れの山だったので、すごく嬉しかったんです。
佐々木:僕はアウトドア雑誌の編集をしていて、富士山の本も作っているんですが……実は富士山は、中学生の頃に登ったきりで。それでこの夏、20数年ぶりに登ろうと計画しているところです。
華恵:そうなんですか!
佐々木:ある意味、バーチャルでは何度も登っているので、もうすべて制覇したような気分なんですが(笑)。また新たな気持ちで、登ってみようと思っています。

世界文化遺産に登録決定!『ランドネ』編集長×華恵による「富士山」対談

──ほかの山にはない、富士山の魅力とは?

佐々木:富士山には日本だけでなく海外からもたくさんの人が訪れています。これだけ愛されているのは、日本一の高さはもちろんですが、やっぱりあの形も理由だと思うんですよね。
華恵:独立峰だから。さえぎるものなく、どこからでも見ることができるのがいいですよね。
佐々木:「あのてっぺんに立ってみたい」という直感的な衝動みたいなものを、きっとみんな抱くんじゃないかな。また古くから信仰の対象であり、浮世絵にも描かれてきたように造形としての極みでもある。山としてだけでなく、いろんな付加価値のある山なんだと思います。
華恵:富士塚といって富士山を模した人工の山が都内にもありますが、それを見てまわったとき、古くから富士山は神聖な場所だったんだなと実感しました。遠くからみんなが思いを馳せていた山が、世界遺産として認められたことは、すごく納得のいくことだと思います。

130704pict_balloon01

楽しかった記憶が、疲れやしんどさを軽く超えました

世界文化遺産に登録決定!『ランドネ』編集長×華恵による「富士山」対談砂走りがあるのは須走ルートと御殿場ルート。砂走りも富士登山の魅力のひとつだ。
世界文化遺産に登録決定!『ランドネ』編集長×華恵による「富士山」対談

──華恵さんは、初めての富士山はいかがでしたか?

華恵:私、実は富士山で初めて高山病になったんです。軽症で済んだのですが、あのとき改めて山の恐ろしさを突きつけられた気がしました。
佐々木:余裕のあるペースで登ったにも関わらず、なってしまったんだよね。それでも、楽しい思い出になっているのはなぜ?
華恵:楽しかった記憶が、疲れやしんどさを軽々と超えたんです。通った須走ルートもよくて。
佐々木:下山道の「砂走り」だね。
華恵:はい。ふかふかの砂のところを、サーッと滑るように降りていく。それがとにかく楽しくて。あと、太陽館という山小屋に一泊したんですが、たまたまその夜に山中湖で花火大会があったんです。外に出てみたら、下のほうに線香花火みたいに小さな花火が見えて。そんな幸運も重なって、すごくいい思い出になりました。過酷な山だけど、次もそんな体験ができるだろうという不思議な確信がある。そういう魅力があるんですよね。

──山に登る楽しみとは?

華恵:これは富士山に限らずですが、山小屋でのまわりの人との絶妙な距離感も好きなんです。なんとなく夕陽を一緒に見て過ごしたり、明日の天気のことを教えてもらったり。そんな他愛のない会話も心地よくて。
佐々木:山に入ると、自然に優しくなれたりするよね。
華恵:素直になれるんですよね。普段だったらありえないような協調性が生まれたりして(笑)。
佐々木:登りにくそうにしている人がいたら、自然に手を差し伸べてあげたり。日常ではなかなかできないことも、山ではそれが普通だから、心の上でもすごく距離が近くなる。
華恵:私、佐々木さんとも山を通じて仲良くなれた気がします。
佐々木:そうそう。『ランドネ』の取材で、八ヶ岳とフランスの山にも一緒に登って。
華恵:街にいるときは、話が区切れたら「では」ってお別れするけど、山ではずっと道が続いているから話が終わらない。「ときに、これはどう思いますか?」って(笑)。
佐々木:それで気付いたら、深い話になっていて。だから仲良くなりたい人を山に誘うというのも、俗っぽい話かもしれないけど、おすすめですね(笑)。

130704pict_balloon02

次に登るときは、違う富士山の表情を見てみたい

世界文化遺産に登録決定!『ランドネ』編集長×華恵による「富士山」対談130704photo06

──佐々木さんの夏の富士登山のご予定は?

佐々木:1回目は山開き前に1号目から5合目まで登り、8月に改めて山頂まで登ろうと思っています。1合目から5号目は、ぜひおすすめしたいルートなんです。というのも、信仰としての富士講登山が行われていた江戸時代は、今のように5合目からではなく、一合目から登っていたんですよね。そういう歴史を感じながら歩くのも、楽しいと思うんです。
華恵:うわあ。それ、すごくいいですね! 
佐々木:山頂についたとき、また違う感動がありそうだよね。あまり知られていませんが、5合目までの富士山は森林があって植生も豊かなんですよ。初心者の方が山歩きの練習をするのにもおすすめですね。

──富士登山で、初心者が気をつけるべきこととは?

佐々木:日本一高い山ということは、それだけ標高差もあるので、うまく高度に身体を慣らせていかないと高山病になる危険性があります。あと、真夏でも頂上では真冬並みの寒さなので、環境の変化も要注意。富士山は初心者向きといわれることもありますが、そういう山の厳しさも踏まえた上で楽しんでもらいたいですね。
華恵:初めてのときは、経験者と一緒に登れると理想的ですよね。
佐々木:ガイドさんを利用するのもいいですね。ペース配分や天気の判断を相談できて、心強いと思います。あと、自然相手なので天気までは誰も左右できない。それをなるべくポジティブに受けとめてほしいなと思います。もしご来光が見られなくても、「次に」というチャレンジに変えられると思うし。
華恵:雨だと残念ではあるけど、それはそれで記憶に残りますしね。よくメディアで紹介される、快晴ではない山の姿を見られるのも特別な体験だと思います。私も次に登ったときは、また違う条件、違う雰囲気になるはずなので、そこでどんな富士山の表情が見られるか、今から楽しみなんです。

佐々木編集長に聞く! 登山ルートの選び方


より大きな地図で WEEKLY MAGAZINE『ランドネ』編集長×華恵による「富士山」対談 を表示

富士登山の主なルートは、吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルートの4つあります。なかでも一番メジャーなのが吉田ルート。登山者も多いので、初めてで不安な人におすすめです。あとルートだけでなく、いつ登っていつ降りるかという登頂計画をたてることも重要。よく午後に登りはじめ、8号目の山小屋に一泊し、頂上でご来光を見て降りてくるのが一般的といわれていますが、ご来光を頂上でなく8号目あたりで見るのもアリだと思うし、山頂でお鉢めぐりをする時間を入れてもいい。無理のないよう、自分に合った計画をたててほしいなと思います。

130704ttl_01

バスク/ビタールートGTX

トレッキングブーツ

もっとも基本的な「山の三種の神器」と呼ばれているアイテムがトレッキングブーツ、バックパック、レインウエアです。靴はスニーカーで代用してしまう人もいますが、やはり登山専用のトレッキングブーツのほうがケガも少なく快適で、後で辛い思いをしなくて済むと思います。選び方としては、ミッドカット以上のものがおすすめ。ウエイトにもよりますが、ローカットだと砂礫を歩いたときに小石が入ってしまうので。くるぶしまでカバーするタイプのほうが足が安定するし、初心者でも履きやすいと思います。
(バスク/ビタールートGTX)

バーグハウス/フリーフロー30+6

バックパック

たまに紙袋で登ってくる人がいるらしいのですが(笑)、やはりバックパックで登ってほしいもの。両手が自由になる状態にしておかないと、ケガの元ですから。富士山は、真夏から真冬までの装備を一式持って登らないといけないので装備が多い。なので、山小屋泊を想定した30L程度が目安です。あと、お水をたくさん持っていく人もいますが、富士山に関しては上で買えるので、必要以上に持たないという選択肢もあると思います。水を1リットル背負うのと背負わないのとでは、ぜんぜん疲れ方が違ってきますからね。
(バーグハウス/フリーフロー30+6)

モンベル/ハイドロブリーズ レインウェア

レインウエア

天候の変わりやすい山に、レインウエアは必需品。なかでも上下別のスーツタイプが、さまざまなシーンで活用できておすすめです。選び方のポイントは、防水性とともに、ウエア内にたまった湿気を外に逃す透湿性を備えた、防水透湿性であること。ウエア内に熱がこもると、運動して汗をかいたあと、その汗で身体を濡らすことになる。そうすると、頂上付近は真冬の環境ですから、ガタガタ震えるくらい寒くなり、なかなか体温を戻すことができないんです。レインウエアの選び方が、快適性を左右すると思います。
(モンベル/ハイドロブリーズ レインウェア)

そのほかこんなものがあると便利

あると便利なのがトレッキングポール。歩行をサポートするポールが有効なのは、登りより下り。特に富士山は下りが長いので、これがあるとないとでは膝にかかる負担が格段に変わってきます。暗い中を登るときは、ヘッドライトも必要。今は軽量で使いやすいタイプのものがいろいろ出ています。防寒対策の必需品であるグローブは、寒さを防ぐだけでなく、岩場の多い富士山でケガを防ぐのにも役立ってくれます。また高機能タイツも、買って実感を得やすいギアのひとつ。ケガの防止だけでなく、筋肉をサポートして疲労も軽減してくれるので、特に体力に自信のない方におすすめです。ランニングや自転車用の高機能タイツもありますが、登山用のものもすごく進化していて、バリエーションもあるのでぜひチェックしてみてください。
(左から)ヘリノックス/passport120、モンベルブラックダイアモンド/コズモ、ワコール/モンベル/アウトドライ レイングローブ、ワコール/CW-Xスタビライクスモデル(柄のもの:女性用、無地のもの:男性用)

2013年5月20日発売/エイ出版社 「富士山登頂ガイド2013」エイ出版社

ランドネ
2009年6月に創刊。“自然派志向”をもつ女性たちが、アウトドアをより身近に感じてもらうような情報を発信する、日本初の、そして唯一の、女性向けアウトドア専門誌。5月20日には雑誌「PEAKS」と共同監修した「富士山登頂ガイド2013」を発売。基本の4ルートの徹底ガイドから、タイプ別の登頂プラン、ベストシーズンを教える富士登山カレンダーに山小屋リストなど、富士登山を徹底的にサポート。ビギナーからリピーターまで富士登山を目指すすべての人に向けた一冊となっている。

「富士山登頂ガイド2013」商品詳ページ
http://www.sideriver.com/ec/products/detail.php?product_id=17848

「ランドネ」の最新情報はこちら
http://blog.sideriver.com/randonnee/event_info/

華恵
エッセイスト

1991年4月28日 アメリカ生まれ。6歳から、日本に住む。10歳からファッション誌でモデルとして活動。2003年、短編映画『ハナとオジサン』で女優デビュー。2005年に初の著書となる『小学生日記』を発売。収録された「ポテトサラダにさよなら」で、読売新聞社主催全国小・中学校作文コンクール文部科学大臣賞を受賞した。東京藝術大学音楽学部 楽理科 (在学中)。
http://www.hanae-orihime.com/

ページトップへ