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株式会社食文化 萩原社長が語る 食文化の創造

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2013.12.19 UPDATE

うまいもんドットコム

「どこにでもあるもの」は取り扱いません──そんなコンセプトのもと、店頭に並ばない希少種や、地方で親しまれる旬の食材などを集め、美食家たちを唸らせているのが「うまいもんドットコム」です。生産者とのネットワーク、市場流通のノウハウ、そしてインターネットサービスの機能。それらを最大限に生かしたネット販売システムとして、独自路線を切り拓いてきた「うまいもんドットコム」。2001年、40歳という節目に他業種から転身し、株式会社食文化を起業した代表の萩原章史さんにお話をうかがいました。

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「食」で地方を元気にしたい

「うまいもんドットコム」のトップページ。商品ページには産地の取材記事もあり読み応えがある。 「うまいもんドットコム」のトップページ。商品ページには産地の取材記事もあり読み応えがある。

──起業された経緯から教えていただけますか?

萩原:もともと私は17年近くゼネコンに勤務していて、全国各地を回っており、地方の魅力をたくさん見てきました。そこで地方の経済活性化を建設業だけではなく、生産業を営む人々が永続的に自立できるビジネスモデルとして、「食」で地方を元気にできないかと考えて、会社を立ち上げたんです。

──「うまいもんドットコム」は、ほかの食品通販サイトとどう違うのでしょう?

萩原:当サイトでは、四季折々の地方の伝統食や、数が極めて少ない幻の美味など、全国各地のめずらしい食材、こだわりの食品を中心に扱っています。食材がスーパーで販売されるようになってから、商品が価格でしか差異化できなくなり、ものの価値を伝える人がいなくなってしまいました。そうした食の価値を伝えるために、産地を取材して写真と記事で丁寧に紹介し、さらに食べ方や調理例も載せて販売したんです。その頃、こうしたネットコンテンツはほかになく、私が草分けだったと思います。

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──起業時はEC(イーコマース)の黎明期にも重なります。

萩原:当時はまだISDNの時代で、インターネットに接続するたびにお金がかかっていた頃でね。多くの生産者はパソコンやインターネットを使っていなかったので、そこをサポートしようと考えたんです。また、他のECサイトは出店するのに固定費がかかりますが、うちは基本的に売上げ手数料しかかかりません。収益モデルとしては不安定です。でもそこに、市場に流れにくいものを扱う老舗や名店が出店してくれました。するとそれが信用力になり、「あの店が出しているなら、うちも」という好循環が生まれるんです。今では、築地市場の食材を扱う「築地市場ドットコム」を合わせた会員数が約25万人。この13年間、毎年連続で増収が続いています。

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何を選んで食べるかが、直接健康に関わってくる

萩原社長自らが産地を取材して記事にすることも多い。サイト内の「うまいもんブログ」も執筆している。 萩原社長自らが産地を取材して記事にすることも多い。サイト内の「うまいもんブログ」も執筆している。

──荻原さんが自ら調理し、食して書かれている紹介文にも臨場感があります。

萩原:私は小さい頃から食も料理も大好きな、いわゆる趣味の料理人。そんな私の目線から、品揃えも「週末の男の料理」を意識したものにしています。また日常ではなく非日常、ハレの日の食をイメージしています。たとえばクリスマスの夜、こだわりの食材を取り寄せてオヤジが料理をしたら、奥さんに見直してもらえるかもよ、とか。実家にこんな食品を贈ったら、「あの息子がこんなの送ってきて」ってお母さんはすごく幸せな気分になるよ、とか。そういう同世代の男性に共感してもらえそうなシーンを想定し、商品を提案しています。

──「食」を通したライフスタイルの提案でもあるのですね。

萩原:そうです。私は今51歳なんですが、子どもがまだ1歳なんですね。だから、最低でも80歳までは現役でいたい。そうすると毎日牛丼ではなく、バランスのとれた食事をして、元気で長生きしようと思うわけです。人間の身体は、食べたものでできていますからね。何を選んで食べるかが、直接健康に関わってくるんです。あと私は、男の料理にはいくつかの意義があると思っています。まずひとつは、老化防止です。複数の料理を同時に作るときって、これを先に切っておこうとか、米を研いでおこうとか、クリティカルパスをどうつないでいくかを考えます。これは、ものすごく脳を使うんです。さらに、自分ひとりで生きていくスキルとしても料理は重要です。もうひとつ大切なのがエンターテインメント性です。料理をすると、「おいしかった」って喜んでもらえたりしますよね。人から喜ばれることって、実は人間の幸せにとって一番大きなことなんですよね。

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「食」で知的好奇心をくすぐる感動や驚きを伝えたい

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──「日経レストラン 目利き問屋」「dancyu.com」をはじめ、メディアや企業との連携も活発です。

萩原:全国各地の産地を取材し続けてきた経験から、ほかにはない知識があるし、築地市場に拠点があって築地のネットワークも使えます。そんなふうに食をマニアックに究めてきた特異性が、さまざまな企画を可能にしているんだと思います。ですから、他企業とのコラボレーションでは今までの我々のノウハウを組み込みつつ、それぞれの特性に合った形でシステムを活用させていただいているので好評なのでしょう。

──これからの展望を教えてください。

萩原:今、地方の生産者の後継者不足は深刻です。こうした日本の食を守るには、こだわりの食を求めるお客さまに購入していただくのが一番です。独自の魅力をもつ食をご紹介することが、地方経済に役立ち、それによって生産者が作り続けることができれば、結果的に、お客さまに対しての満足の提供になります。そんなふうに、生産者も消費者も我々流通業者も、みんなが幸せになれる社会にしたいと考えています。

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──ソニー液晶テレビ〈ブラビア〉での限定サービス「〈ブラビア〉ネットショッピング(期間限定版)」とのコラボレーションされていますが、このコラボレーションに対する想いをおきかせください。

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取材を振り返って

見るからにおいしそうな食が次々に登場し、眺めているだけでも楽しい「うまいもんドットコム」。しかしそのビジネスシステムの原点には、高齢化の進む生産者の支援、疲弊する地方経済の活性化、日本の伝統食の継承など、いくつものミッションが課せられていることがわかりました。「おいしいものを食べたい、という欲を持つことは大切。食に執着してるうちは、人間は元気なんですから」と荻原さん。私たちの一番身近にあり、欠かすことのできない「食」。だからこそ何を選び、どう食べるのか意識することが、人生をどう豊かに生きるかということにも深く関わってくるのだと感じました。

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萩原章史
株式会社食文化 代表取締役社長

東京都 1962年静岡県生まれ。大学卒業後、大手ゼネコンに勤務。中国・北米などを中心に13年間を海外で暮らす。2001年株式会社食文化を起業。「うまいもんドットコム」、「築地市場ドットコム」など食に特化した通販サイトを運営。日本の生産者・流通業者・消費者をつなぎ、地域伝統の食の発掘や新しい商品企画を実際の販売を通して実現している。
うまいもんドットコム http://www.umai-mon.com/

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