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大人にすすめたい、絵本3冊 ナビゲーター:タレント ブラザートム

ミュージシャン、役者、演出家など、いくつもの顔を持つブラザートムさん。大の絵本好きでもあり、昨年はついに絵本作家としてもデビューされました。ふたりのお子さんが幼いときには自分が考えた物語を読み聞かせていたというトムさんに、好きな絵本のことや読み聞かせの極意について、うかがいました。

ブラザートムさんの1冊目:『いないいないばあ』 いつもバッグに潜ませていたい名作絵本

ブラザートム

男の人が同じ本を買ってしまう確率が一番高いのが『ゴルゴ13』だと思うんですが(笑)、僕の場合、今まで一番買った本がこれです。もう、20冊以上買ったんじゃないかな。最初、自分の息子のために買って、ボロボロになってまた買って、次に子どもができた人にプレゼントして、そのうちお店のおねぇちゃんにプレゼントするようになって。まあそうなると、何の本だって話ですが(笑)。でも本当にこの本は、世代を問わず誰もが楽しめる本だと思います。もしこれを上司が持ってたりしたら、ステキですよね。バッグがパタンと開いて、「部長、『いないいないばあ』が入ってますよ」って。そこで何のためらいもなく、「見つかった? ばあー」なんて会話ができたら、確実に部下の中で株が上がると思います。大人も子どもも、いつもバッグに『いないいないばあ』を入れておいてほしいですね。

【作品紹介】
『いないいないばあ』
にゃあにゃが、くまちゃんが、こんこんぎつねが、みんなで「いないいない、ばあ」。日本で初めての赤ちゃん向け絵本として誕生し、その「美しい日本語と最高の絵」で40年以上にわたり愛され続けているロングセラー絵本。


著:松谷みよ子(文)瀬川康男(絵) 発売日:1967年4月 出版社:童心社

いないいないばあ

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ブラザートムさんの2冊目:『100万回生きたねこ』 生きることの切なさが胸を打つ、一匹の猫の物語

ブラザートム

これも名作で、読むといつも最初から泣いてしまうんですよね。僕はこの本は、「人間だったら」なんて考えず、ストレートに「猫の話」として読んだほうがいいと思います。犬が死ぬ姿って、ドサッとしていて雄々しいんです。でも猫が死ぬ姿って、ボロ雑巾みたいなんですよ。そのボロ雑巾が、何度も生と死を繰り返すことで、ずっとつながっていく感じがする。それがすごく切ないんです。恐らく女性のファンの方が多いと思いますが、もっと男性の方にも読んでほしい本ですね。ただ『いないいないばあ』と違って、これをバッグに入れておくと「狙ってる」と思われてしまうので、携帯の待ち受けにするくらいがちょうどいい。それで、飲んでるときになにげなくみせると、「部長、これ『100万回生きたねこ』ですよね」「なんだ、知ってるの?」ってなる。そういうテクに使っていただけたらと思います(笑)。

【作品紹介】
『100万回生きたねこ』
誰も好きにならぬまま、100万回死んで、100万回生き返り続けた猫。あるとき猫は、きれいな白い猫に恋をして、はじめてその死に涙を流す。一匹の猫の運命が、生と死、そして愛の深さを静かに物語る不朽の名作。


著:佐野洋子(文・絵) 発売日:1977年10月 出版社:講談社

100万回生きたねこ

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ブラザートムさんの3冊目:『月からおちたモモンガ』 不器用なお父さんに届けたい、子どもと遊ぶための絵本

ブラザートム

これはもう、ただひたすら子どもと遊ぶ本です。『いないいないばあ』の、もうちょっと動きのあるバージョンだと思ってもらえれば。僕はこれを、子どもだけでなく、オヤジのために作ったというのもあって。オヤジって、突然正月に「今年はいい父親になろう」と決意して、外でキャッチボールをはじめたはいいけれど、「球が弱い」って文句言ってケンカになったりするんですよね。あと、凧揚げしてたら自分だけ夢中になっちゃって、子どもが地面に文字書いてることにまったく気付いてなかった、とか。そんなことするより、こういう本を使って、日頃から一緒に遊ぶほうがいいに決まってる。この本は、そんな不器用なオヤジが、子どもと一緒に遊べるようにと思って作ったんです。おしつけず、子どもから遊びを教わりながら読めば、きっと楽しんでもらえると思います。

【作品紹介】
『月からおちたモモンガ』
月を目指して、ジャンプするモモンガ。ウサギやカラスのアドバイスを受けて、もっと高いところから飛んでみるけれど……。クレヨンで描かれたやさしい絵とリズミカルな言葉が、子ども心をくすぐるブラザートムさん初の読み聞かせ絵本。


著:ブラザートム(文・絵) 発売日:2010年8月 出版社:SDP

月からおちたモモンガ

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Close Up

ブラザートム

読み聞かせをしながら、子どもと一緒に物語を作っていました。

子どもが小さい頃、僕はうちで「お話おじさん」と呼ばれてまして。子どもが生まれてすぐから、毎日、読み聞かせをしていたんです。絵本も読むし、勝手にお話を作ることもありました。創作なんてほどのもんじゃないんです。たとえば、昨日は桃太郎を読んだから、今日はバナナ太郎にしようとか、そんなんです。それで、「桃は〈どんぶらこ〉って川から流れてくるけど、バナナの音はどうする?」って聞くと、息子が「〈ぬーいっひょん、ぬーいっひょん〉じゃない?」っていうんで、「じゃあそうしよう」って。そういうのを集めているうちに、子どもと僕だけの物語ができていくわけです。

絵本に興味を持つきっかけは、松谷みよ子さんの『いないいないばあ』でした。この世界観は、衝撃でしたね。魅力は、なんといっても絵です。子ども向けとは思えないような粗い絵なんだけど、実はすごく細かいところまで考えられている。それと、文字の少なさがいい。ページのど真ん中にただ二文字、「ばあ」ですからね。でもこのページで、子どもが笑うんですよ。「いないいない…ばあ!」ってページを開くと、必ず笑う。一時期、飲み屋さんでも読み聞かせをしてたんですが、大人も笑ってました。シャイな人も、「フフン、なんだよ」とか言いながら。0歳の赤ちゃんから40代、50代の疲れたオヤジまで楽しめる、ほんとにすごい絵本だと思います。

ブラザートム

「なにも教えない」絵本が好きなんです。

僕がいいなと思う絵本は、まず絵がいいこと。それから、なにも教えないこと。教訓なんてもってのほかです。読んでる僕がわかんないんですから。『いないいないばあ』なんて、最後まで「ばあ」で終わるんですから、いいですよねぇ。でもそうやって選んだ本は、息子たちも喜んでくれました。今も読み聞かせイベントとかで、子どもと接する機会はすごく多いんですが、評判はいいみたいですよ。

読み聞かせは、おもしろいです。子どもは、僕のことを知りませんからね。お父さんの友だちが読もうが、僕が読もうが一緒なんです。そういう子どもを、どれだけ楽しませることができるか。これは芸能人としての基本だと思います。僕は読み聞かせをするとき、『いないいないばあ』のように本にチカラがあるものはそのまま読み、そうでないものは、読み方を工夫するようにしています。そうすると何でも、薬の効能表だっておもしろくなるんです。たとえば、ここに一枚の紙がありますよね。これを一回手でクシャクシャにつぶして、外から見えた文字だけ拾って読みはじめるんです。「『て』って書いてあるぞ。『て』ってなんだ?」って。そこからお話をはじめると、子どもも大人も興味を持つことができるんです。

ブラザートム

ブラザートム

読み手が光を当ててやれば、どんな本でもおもしろくなる。

朗読や落語もそうですが、名人芸になるのは簡単なんです。聞いてる人をほっておいて、勝手に読めばいいんですから。でもそんなふうに「これは芸術なんだ」なんて構えていたら、どんどんつまらなくなってしまう。読み手がライトになって光を当ててやれば、どんな本でもおもしろくなる。それは僕だからではなく、どんなお父さんやお母さんでもできることなんです。

僕は公園の、誰もいないところで読み聞かせをはじめるのも好きなんです。子どもが遠くにいるときに「いないいないばあ。ハッハッハ」って言ってると、ちょっと気になりだして、一人、二人と集まり出してくる。それが楽しくて。僕がやっている音楽も一緒だと思います。興味がない人は見なくてもいいけど、興味があって見に来てくれた人には、存分に楽しんでもらいたい。そのためなら、なんでもやろうという考え方なんです。

ブラザートム

ブラザートム
タレント

1956年ハワイ州マウイ島生まれ。1980年、「お笑いスター誕生!!」(NTV)にて警官コントで華々しくデビューすると、1983年にBubble Gum Brothersを結成。1991年にはNHK紅白歌合戦に初出場する。その後、1996年に新バンドREAL BLOODを結成。その他、2000年にオリジナルミュージカル『Miracle Brind Boys』を上演、昨年は自身初の読み聞かせ絵本「月から落ちたモモンガ」を発売し、読み聞かせライブを行うなど、ミュージシャンとしての顔以外にも作家、俳優、タレントなど幅広い芸域で活躍中。なお2008年にBubble Gum Brothersを再結成、精力的にライブ活動を行っている。

ブラザートムさんの最新情報
<ライブ情報 >
■ブラザートム ソロライブ
3月14日(月) 
代官山 「晴れたら空に豆まいて」 03-5456-8880
Oren 18:30 Start 19:30 前売り¥3000 当日¥3500

■REAL BLOOD ライブ
5月25日(水)
目黒 「ブルースアレィジャパン」 03-5496-4381
Open 18:30 Start 20:00 料金¥6000

■Bubble Gum Brothers ライブ
「DA BUBBLE GUM BROTHERS SHOW」
3月6日(日)
六本木「スイートベイジル STB139」 03-5474-0139
1st 開場15:00/開演16:00、2nd 開場18:30/開演19:30
※入替制の2回公演です。

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