発掘!アーティスト

未開拓のシーンを切り開くエクストリームなアーティストをご紹介。
案内役は、連載オリジナルキャラクターのせん太くん。

2013.10.17

キャンバスは「バナナ」
エンドケイプの世界

プロフィール

今回から始まる連載シリーズ「発掘!アーティスト」。毎回、好奇心旺盛な青年、せん太くんが日本各地に存在する様々なエクストリーム・アーティストを訪ね歩き、アートの極意を聞き出していきます。第1回はバナナ・タトゥー・アーティストのエンドケイプさん。バナナに押しピンで絵を掘り続ける稀有な存在に、体当たり取材を行いました。

押しピンで4時間かけて掘ってます。

せん太:みなさん~どうも!エンドケイプさんもどうも!おいら、せん太って言いやす。見ての通り心身共にペラペラな奴なんで、これからたくさん我が道を突き進むアーティストに会っていき、自分が極めるべき道を探していきたいッス!

エンドケイプ:せん太くん、初めまして。今日は僕のバナナ・タトゥーを見学に来てくれたんだよね!初回に選んでくれてありがとう。

せん太:いや~おいらが選べたなら、初回は女性アーティストだったッスよ!それより、なんでバナナに絵なんか描き始めたんスか?

エンドケイプ:そうなんだ・・・。でも、訪ねてくれてありがとう!僕は元々、小説執筆や作詞活動の他、イラストレーターの仕事もやっていて、それらをサイトで公開してるんだ。ある時から、webで公開する作品なら敢えてアナログで作ってみたいという願望が湧いてきてね。そのためにキャンバスとして面白い素材はないかなと思って探していたところに、バナナと出会ったんだよ。

せん太:くぅ~!そこでバナナに向かう辺り、いい感じに歪んだ精神ッスね!

エンドケイプ:それを言われちゃうとね・・・。でも、海外では他にもやっている人がいる表現方法なんだよ。しかしこれが実際、やるとなると大変な作業なんだよね。押しピンで4時間くらいかけて、一点ずつ突付きながら描き込んでるんだよ。とても地道な作業で、腱鞘炎との戦いだね。

せん太:泣ける!それで描いた絵はどうなるんスか?

エンドケイプ:1日もしないうちに黒ずんで、作品としての役目は終わっちゃうね。全く問題ないから、いつも美味しく食べてます。

せん太:そこまでしてこのアートに拘る理由が全然見えてこないッス!エンドケイプさん、モテる手段なら他に幾らでもあるッスよ!

エンドケイプ:いや、別にモテるためにやってないから!実際やってみると凄い面白いんだよ。陰影がついたり、掘ってないところが盛り上がって立体的になったり。最初は試行錯誤の繰り返しだったけどね。やりながらバナナの曲線の使い方とかも学んでいったよ。やっぱり、バナナって奥が深いんだよね。表面も実はよく見ると円柱じゃなくて、平面5枚で出来た五角形なんだよ!せん太くん、知ってた?

せん太:・・・いや、存じ上げませんでした。

エンドケイプ:それで、他にも色んな果物や野菜で試してみたんだけど、これほど水気なく、掘った時に滲まず、ピンポイントで変色させられる食べ物はないってことで、今はバナナの偉大さを痛感しているね。

スーパーで買ったその日が掘り時ですね。

せん太:バナナ選びに拘りはあるんスか?

エンドケイプ:やり始めた当初から行ってるスーパーで、ずっと同じフィリピンバナナを買っているよ。毎日買っているから、変な人だと思われてるかもね。買ったその日に掘ることにしてるけど、今のところはそのタイミングが一番掘り易いかな。

せん太:実際、変人なのは間違いないスよね・・・。バナナと会話とかしちゃってるんじゃないスか?

エンドケイプ:ははは、それはないよ。でも形や大きさによっては“こんな絵を描いてみたいなぁ”とかバナナがイメージを呼び寄せてくれることはあるね。

せん太:掘る際に注意していることってあるんスか?

エンドケイプ:掘り始めてから暫くは、表面に絵が浮かび上がってこないんだよ。だから、想像しながら針を入れていくしかないんだ。僕の場合は全体の位置を考えながら、中心となるところから掘り始めてるね。例えば、一番良く描くモチーフの龍だと目から掘ってるよ。

せん太:なるほど~。経験から生まれてくるカンも大事なんスね。これからバナナ・タトゥーってどういう風に進化させていくんスか?

エンドケイプ:まず、針を使い分けられるようになりたいね。今は敢えてスタイルとして、使い易い押しピン1本でやっているんだけど、選ぶ針によっては掘る深さや太さを変えられて、表現の幅が広がるよね。それから人前でも披露していきたくて、実際個展を開いてそこでライブパフォーマンスなんかもやってるんだ。

せん太:このアートを見た人は、きっと誰もがびっくりするスよねぇ!

エンドケイプ:確かに国内外、年齢性別問わず、素直なリアクションがもらえるね。だから僕自身も、描くモチーフをアニメのキャラや芸術作品からの引用、和彫り風など様々な表現にチャレンジして、色んな層からの反応を楽しんでいるんだ。

せん太:しかし地道な作業をこれからも続けていくのは、並大抵の集中力じゃ出来ないスよね・・・。

エンドケイプ:それはあるかもね。バナナ・タトゥーも、実際誰でも掘ること自体は出来るんだけど、いい感じになっていくまではとても時間がかかるものだし。やっぱり自分自身が好きなものじゃないと何事も続かないよね。好きで続けていけば、きっと誰かに見てもらうチャンスが生まれて、それが花開くこともあると思うよ。

せん太:なるほど、今回はバナナの花が開いたんスね!くぅ~面白い話ありがとうございやした!これにて取材終了です。で、最後の質問ですが、なんだかんだでこれ、普段はフォトショで加工してるんスよね?そっちの方が手軽で早いスもんね!

エンドケイプ:せん太くん・・・そりゃないよ・・・よく言われるけど(苦笑)。

※本取材地:bar bonobo

バナナ・タトゥー・アートの世界を動画で紹介!

エンドケイプ Profile

作詞家、イラストレーター。
NHK BSプレミアム「おとうさんといっしょ」や市町村ゆるキャラ・アイドル・ボーカロイド楽曲などの作詞やキャラクターデザインを手掛ける。
エンドケイプオフィシャルサイトhttp://ameblo.jp/endcape01/

せん太 Profile

田舎から出てきたものの、やりたいことが見つからず、日々自分探しをしているピーターパン男子。今回の連載を通し様々なアーティストに会うことで、自分が極めるべき道を見つけたいと思っている。